投資に興味のある方!
近頃よく聞く言葉、ありますよね?
それって『レバナス』『つみレバ』ではありませんか?
可能な限り早い時期でのリタイアを目指し、『FIRE』に向けて着実に前進している方であれば、すでに釈迦に説法の可能性もありますが、今回はこのレバナスについて解説をしていきたいと思います。
目次
レバナスって何のこと?
レバナスとは、「レバレッジ・ナスダック100」という言葉を縮めたもので、アメリカ合衆国を代表する株価指数『ナスダック100【NASDAQ100】』にレバレッジをかけた運用を目指す金融商品の総称です。
その中でも、特に近年この言葉が示す代表的な金融商品があります。
それが運用会社「大和アセットマネジメント」が運営する投資信託で、正式名称を『iFreeレバレッジ NASDAQ100』と言います。
このファンドは、日々の基準価格の値動きがNASDAQ100の値動きの2倍程度になるよう目指し運用をしています。
ここ最近、お名前が忍者風の某人気投資系YouTuberさんを筆頭に多くのインフルエンサーが、このレバナスを「資産拡大のため最大限活用しよう!」と発信されており、注目が高まっています。
ちなみに「つみレバ」は、インフルエンサーが紹介されている投資方法の一種で、レバナスに毎月積み立て投資することを指します。
この記事では、このiFreeレバレッジ NASDAQ100をレバナスと呼称して解説をします。
投資信託や NASDAQ100に関する記事はコチラ
>>>投資信託とは?
>>>ナスダック【 NASDAQ】とは?
レバナスのメリット
レバナスのメリットは、なんと言ってもパフォーマンスがすごいことです!
このファンドに注目が集まった理由でもあるのですが、NASDAQ100の日々の値動きに対して2倍の値動きを目指した運用をしていますので、仮に基準となるNASDAQ100が3日間毎日10%ずつ成長したと仮定すると次に示すようなパフォーマンスとなります。
NASDAQ100:1.1×1.1×1.1=1.331 3日間で約1.3倍の上昇
レバナス :1.2×1.2×1.2=1.728 3日間で約1.7倍の上昇
※あくまで分かりやすく計算を示したもので、運用・管理手数料をはじめとする他要素を無視した計算ですのでご留意ください。
「毎日10%成長するという設定に無理がある!」とのご指摘が聞こえてきそうですが、すみません、分かりやすい数字にさせていただきました。
しかしながら、上昇局面においてはかなり大きなメリットがありそうなことは理解していただけたと思います。
その日の値動きに対して2倍という運用を長期にわたり繰り返していくと、基準となる数値から徐々にではありますが、加速度的に乖離した数値になっていきます。
もちろん常に上昇をしていく相場なんてものは存在しませんので、実際に乖離していく速度は今回の計算より緩やかなものです。
実際の基準価格を参考に、ファンド設定来の成績を確認してみましょう。
この数字を見てどのように感じられるでしょうか?
レバナスは2018年に設定がなされていますので、まだ現時点でのデータというものはあまりないのですが、僅か3年での実績がこの数値となります。
基準価格で比較するとなんと約3.4倍にも成長しており、NASDAQ100よりも大きく伸びているのが分かっていただけるかと思います。
一般的な株式投資の年利は、高利なものでも3〜8%が常識的な範囲と言われていますので、この成績がいかに驚異的なものであるかは明らかです。
ただ注意していただきたいのは、この数年が世界的な株高傾向を背景に上昇しやすい局面であったことは間違いがなく、今後も同等の成長をしていくかは誰にも分からないということです。
良いことばかりではないレバナスのリスク
さて、ここからはリスクについて言及します。
考えてみると当然のことなのですが、前述したレバナスの大きなメリットであるパフォーマンスは、日々の値動きの2倍を目指す運用によってNASDAQ100が上昇局面のとき得られるわけですから、逆にこの値動きが下降局面であれば成立しません。
NASDAQ100の日々の値動きが下落した際には、その2倍下落するということになります。
そしてもうひとつのリスクが『逓減のリスク』になります。
下降局面でのリスクについては、皆さん予想されていたことだと思いますが、意外と知られていないのがこの逓減のリスクです。
最近のこういったレバレッジ型のファンドでは、説明の中に逓減のリスクを明記することが常識となっていますので、何となく流し読みしたという方もいるかも知れません。
逓減のリスクはどのような場面で発生するかというと、レバナスにおいてはNASDAQ100が停滞局面にあるときになります。
逓減という言葉は、じわじわと減っていくことを意味します。
つまり、NASDAQ100が停滞局面にあるとき、レバナスは逓減(次第に値を下げる)するということです。
こちらも次の条件で簡単な計算式にして示してみましょう。
条件:1日目に5%上昇、2日目に10%下落し3日目に5%上昇したと仮定
NASDAQ100:1.05×0.9×1.05=0.992 3日間で約0.8%の下落
レバナス :1.10×0.8×1.10=0.968 3日間で約3.2%の下落
※あくまで分かりやすく計算を示したもので、運用・管理手数料をはじめとする他要素を無視した計算ですのでご留意ください。
今度は少し現実に起こり得そうな数字を使ってみましたが、いかがでしょう?
NASDAQ100が3日間を経て基準価格を元の値に近づけているのに対して、レバナスの方が下振れしていることが分かるかと思います。
これが停滞局面における逓減のリスクです。
レバレッジ型の金融商品には、潜在的にこの逓減のリスクがあることを十分理解した上で、運用には細心の注意を払われることをお勧めします。
レバナスの今後
ここまでにレバナスの大まかな概要とメリット、リスクについて理解していただけたかと思いますが、レバナスは投資対象としては『高リスク・高リターン』に属するものだと思います。
投資に対してまだ知識の浅い方や初心者、リスクに対する覚悟がない方にはお勧めすべき投資対象とは言えません。
ただ、基本的には、この世界は資本主義で成り立っており、人類の歴史は経済が成長し続けることで繁栄を続けてきました。
大局的・長期的な視野に立てば、世界の経済は今後も成長していくものと私は考えています。
であるならば、自身の許容範囲の中である程度のリスクをとり、経済が長期的に上昇を続けていくだろうという推測をもとに、このファンドの上昇局面での強みを利用するというのはひとつの選択肢になり得るのではないかと思います。
これはレバナスに限った話ではなく、投資全般に言えることですが、世界の成長に資産形成を手伝ってもらうというのが投資の考え方のひとつであり、その中でリスクとリターンのバランスを各個人が自分で判断していくということが肝要なのではないでしょうか。
その判断のひとつが自身の投資方法の中に『レバナス』を組み込むかどうかであると思いますので、この記事をきっかけに様々な投資の見識を深めていただければ幸いです。
最後になりますが、あくまでも投資は全て自己責任であり、この記事ついては特定の商品や売買の推奨を目的としておらず、その成果や収益を保証するものではないこと申し添えておきますのでご留意いただければと思います。