レバレッジは怖い?レバナスの償還リスク

3 min 1,173 views

その話題性とパフォーマンスで今や投資界隈で知らない人はいないというレバナス!

YouTuberを中心として多くのインフルエンサーが日々情報を発信しています。
その中には危険性を訴える方もいらっしゃいますし、メリットを前面に押し出す方もいます。

私自身もレバナスの魅力を取り上げていますが、今回は「あるリスク」についてフォーカスします。

投資信託における償還


まずは基本的なところからお話ししますが、投資信託には「償還」という仕組みが組み込まれています。
「償還」とは、何らかの形で投資信託の運用期間が期限を迎えることによって、その期限日時点の投資信託保有者に対して償還金を支払うことを指します。
償還金は、投資信託保有者の保有口数に応じた金額が支払われます。

簡単に言ってしまえば、「運用が終わった時点で山分け」することが償還であると言えます。

償還が発生する条件


なぜ「償還がリスク」と言われるか?
これは償還が発生する条件が2種類あることに起因します。

通常投資信託にはそれぞれ投資信託説明書が定められており、その中で「信託期間」、いわゆる運用期間が決められている商品があります。
この期間が終了することによって生じるのが「満期償還」です。
ただ、この満期償還については、満期を迎える際に運用会社が商品の優位性があると判断した場合にその期間を延長することが可能であり、この延長する行為を「償還延長」と言います。
満期償還は当初から期限が明らかになっていますし、償還延長についても優位性によって判断されるわけですから、一見してリスクを感じる点は見当たりませんよね。

すでにお察しの方もいるかも知れませんが、この償還延長の反対、つまり期限を迎える前に償還が発生する場合があります。
それが「繰上償還」です。

繰上償還が行われる条件についても、あらかじめ投資信託説明書に細かく定められていますが、想定していた期間より早く運用の目的を達成した場合や、運用資産が一定の規模より少なくなることで予定していた運用が難しくなった場合などに実行されます。

その際は通知がなされ、異議や反対の申し立てを受けた後に、反対する保有者の保有する口数が一定数を上回らなければ繰上償還という運びになります。

つまり、運用によって早期に目的が達成された場合は良いですが、ネガティブな要素で繰上償還が発生した場合は、大きな損をする可能性があるという事です。

あらかじめ償還の条件を詳細に把握し、リスクを予測できるようにしておきましょう。

レバナスの償還リスク


さて、繰上償還のリスクについて理解をしていただいたところで、レバナスに絞って繰上償還が行われる場合を確認してみましょう。

①受益権の口数が30億口を下ることとなった場合
②NASDAQ100指数が改廃された場合
③信託契約を解約することが受益者のため有利であると認めるとき
④やむを得ない事情が発生したと

以上が投資信託説明書に記載されている条件です。
それぞれを解説すると、まず①はそのままの意味です。
ちなみに2020年に公表されている資料では約139億口あると報告されていますので、仮に数値がこのままだと仮定すると全体の8割程度解約されない限りは大丈夫ということになります。

次に②についてですが、これはレバナスが基準としている指数がNASDAQ100なので、何らかの形でNASDAQ100が撤廃されたり、指数が改変された場合、「NASDAQ100の日々の値動きの2倍」という基準で運用ができなくなってしまうということです。

続いて③ですが、これはこれまでの条件と重複する部分もあるのですが、様々な事情で運用が厳しい見通しになった際に、現段階で解約をした方が、受益者の手元に残る資産を最大化できる場合を指します。
これは参考までに留めていただきたいのですが、繰上償還されたら元金より多く返ってきたなんて例もあるようです。

最後に④です。
これもあくまで参考例になりますが、政策や社会情勢によって運用が成立しない場合などがあるようです。
実際にあった例では、2016年に日銀がマイナス金利政策を導入した際に、この影響を受けやすい仕組みを持つ一部の投資信託で、計画的な運用が困難であると判断し、この条件を採用したことがあったようです。

以上が具体的なレバナスが繰上償還される条件となります。

まとめ

レバナスの繰上償還についてご理解いただけたでしょうか?
実際には、この条件を満たすまでに、想像を超えるような大幅な下落が生じたり、売り注文が殺到しこの商品が維持できないといった一連の流れが生じるものと考えられます。

ただ、大きなリスクを覚悟し、暴落をチャンスと捉える姿勢を貫く投資家が多い商品であることと、NASDAQ100という指数が今後も生き残る可能性の方が高いことを考えてみれば、レバナスが償還される可能性は低いのではないかとも考えられ、自らの請け負えるリスクに応じてレバナスに未来を託す、というのも悪い選択ではないように思います。

あくまで自己責任ではありますが、個人的には投資方法のひとつとして検討してみる価値があると思います。

関連記事